音リモコンの回路

音でコントロールするリモコンカーは現在教材会社アーテックさんで製品化進行中です。受信用共鳴器がタピオカストローなので、コントローラーも共鳴器と同じ長さのストロー笛にする方向で進んでいます。それのほうが安価だし気柱の共鳴の勉強になるということで。

しかし、採用にはなりませんでしたが、おもちゃとしては当ブログ4月17日の記事(音戦車)のようなコントローラーがあるほうが面白いです。

採用されなかったので回路図を公開します。今回もまた1.5V電池1本にこだわってみました。

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左側が三角波発生回路で、右側の波形整形部で正弦波とまでは言えませんが、波形をなまして高調波を減らし、最後に簡易的なアンプを通してスピーカーを駆動します。

下図の(b)が三角波発生部です。

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これはオペアンプを使った三角波の発生回路として知られている(a)と同じ原理で動作します。(a)の場合OP1は正帰還がかかっているので、シュミットトリガー特性(ヒステリシス特性)になります。OP1の非反転入力が正(負)の時出力は負(正)に飽和します。OP1の出力が正(負)に飽和している場合、OP2による積分器の出力は負(正)の傾きで変化していき、OP1の非反転入力電圧の分子(R1・V2 + R2・V1)の極性が反転するとOP1の出力も正から負(負から正)に反転します。このようにしてOP1からは方形波、OP2からは三角波が得られます。

(b)はシュミットトリガーにも積分にも、ちょこまカーの回路でおなじみ(でもないかな)の、バイポーラトランジスタによるCMOSライクな構造を使いました。オペアンプと違ってこの単位構造は非反転入力がないので、2個カスケードして極性を戻し、そこからフィードバックすることで正帰還を成立させました。

最初の図の後半部分はダイオードで三角波の頭をつぶして正弦波に近づける回路とアンプです。いいかげんな波形整形ですから、R2とR3で決まる三角波の振幅とダイオードの特性でずいぶん違った結果になります。また、出力アンプは十分に出力インピーダンスが下げられないので、16Ωのスピーカーを使う方が音が大きくなります。

ところで、バイポーラトランジスタによるCMOSライクな構造はCMOSインバータと役割的には同じものですから、上記の三角波発生器はCMOSインバータでも可能なはずです。下図はCMOSインバータを使った発振回路をまとめたものです。

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図中の(a),(b)はよく知られた発振回路です。いずれも微分を使った位相シフトと、明示的ではありませんがコンデンサを介した正帰還が潜在する回路です。これらの回路は微分回路の性質から(a)のQ1と(b)のQ3のゲートに電源電圧を超える入力電圧が印加されるため、ラッチアップを防止するためにそれぞれR1とR3を必要としますが、これらは時定数に直接関係しません。

(c)は上記の三角波発生器をCMOSインバータに描き変えただけです。これの場合コンデンサは積分に使用されているので、電源電圧を超える電圧はどこにも印加されません。正帰還はコンデンサを介してではなくR6によって明示的にかけられています。正帰還の深さはR6とR5のバランスで(式を書くのが面倒なのですみません)で決まります。

積分はオペアンプやCMOSインバータを使った完全積分にする必要は(出力として正確な三角波が必要でないなら)ありません。不完全積分を使った例としてオペアンプを使った下図は一般に知られた回路です。これをCMOSでやろうとすると……入力が1個しかないので、どうしたらいいでしょうね。

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ところで、このリモコンでも、ちょこまカーに始まった1.5Vの電池1本で動く回路にこだわってきましたが、はたしてどれだけ意味があるのか、作った本人もそろそろ疑問になってきました。組み立てキットの場合、ちょこまカーのようにトランジスタ6個と電池1個で動くというのは、子供にとって取っつきやすいと思います。しかし1.5Vでなんでもやろうとすると回路がかえって複雑になるので、製作キットにしては複雑すぎるようになってしまいます。回路組み立て済みの場合、電源が1.5Vだろうが3Vだろうがあまり関係ないような気もします。

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