音リモコンカー(仮名)

特定の音程の音が聞こえると右または左に曲がり、両方同時に聞こえるとまっすぐ進む車です。

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まずは動画をご覧下さい。



気柱の共振を利用して音程を検出します。秋月で4個100円のエレクトレットマイクに大学院生のN君が買ってきてくれたタピオカストローをはめたら、ぴったんこではありませんか。ストローをはさみで適当な長さに切って2種類の共振周波数の気柱共振器付きマイクを用意しました。

このエレクトレットマイク、買うと添付されているデータシートにはそのものズバリの型番が無いというのも秋月らしい風情。たぶん電源電圧1.5 Vで負荷抵抗1.5 kΩだと思うので、そのようにして使ってみたらとりあえず使えました。ちょこまカーと同じく1.5 V電池1個で動かしたいので、なんとかそういう回路を考えましょう。

なんで1.5 Vがいいかというと、モーターに3 Vもかけると回転が速すぎて減速機なしでは使いにくいというのがいちばん切実な理由。それになんてったって電池1個というのは安上がりで軽くて気が利いていますよ。

さて、最初に試した回路はこれです。

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初段はちょこまカーと同様、バイポーラトランジスタによるCMOSライクな反転増幅で。100 kΩはTr1とTr2のベース電流制限です。200 kΩは負帰還です。CMIOSインバータを水晶発振器に使うときによく1 MΩ程度の抵抗で入出力間をフィードバックしますが、あれと同じで、入出力の電位(動作点)が自動的に電源電圧の中心付近になります。

こうして電圧増幅した音声信号を振幅検波(ここでは倍電圧整流)してTr3を駆動しますが、ここに矛盾があります。

220 Ωが無いとTr3の入力インピーダンスが小さくなる(ベース電位がほぼ0.6 Vに固定される)ため、倍電圧整流の最後のコンデンサが役にたちません。だから2個目のダイオードも省略して直接Tr3のベース-エミッタ間のpn接合に入力してもだいたい同じことです。そうするとレベルシフトした音声信号をTr3に入力したのと同じことになります。倍電圧整流の2個目のコンデンサによる平滑作用が無くなりベースの駆動信号はデューティー比が50パーセントになってしまいます。

つまり振幅検波回路はハイインピーダンスで受けるべきなのです。

ちょっと脱線しましたが、Tr3のエミッタに220 Ωを入れて入力インピーダンスを高くしてやった分、Tr3の電流ゲインは下がります。だから、もし電源電圧が高ければTr3はコレクタ側から信号を取らずにエミッタフォロワとして使うのが常道です。しかしここでは電源電圧が低いのでエミッタフォロワによってDCレベルが約0.6 V下がるのもかなり厳しいです。だから信号はコレクタ側から取りたくなります。そうするとTr4のベースの駆動が弱くなり、Tr4のコレクタ-エミッタ間の飽和電圧が十分下がらず、結果としてモーターに掛かる電圧が1 V程度にしかなりません。

実際この回路ではモーターの力が不足して、動いたり動かなかったりでした。もしTr4の後にNPNトランジスタをもう1段入れればモーターに十分な電圧がかかりますが、電源電圧が1.5 Vと低いことの弊害が甚だしい感じになってきます。

上記の問題はモーターの駆動にMOSトランジスタを使えば入力インピーダンスが非常に高くなるので一気に解決します。ただし、ターンオン電圧が低くないと使えません。ターンオン電圧が低いMOSトランジスタの品種は最近増えてきているものの、表面実装タイプの小型のものばかり、と、思っていました。ちゃんと調べたら東芝に2SK3670というのがあるではありませんか!これはターンオン電圧が0.5~1.3 Vと低いし、3本脚だし、1 Aくらい流せるので、まさにうってつけです。町田のサトー電気で入手しました。1個63円ですが、10個買えば1個あたり52.5円に負けてくれます。

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で、↓はこの石を使った回路です。ゲート信号は倍電圧整流(2段コッククロフト)ではちょっと足りなかったので、3段コッククロフト回路を採用。鳩歩堂は倍電圧整流はときどき使いますが、3段以上のコッククロフト回路を実用に供したのは、実ははじめてです。

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なお、タピオカストローを本体に直づけすると、モーターの振動がストローに伝わって気柱共振を励起してしまい、モーターが止まらなくなります。キッチン用のスポンジたわしを切ったものを使って振動をインシュレートしています。

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  • 音リモコンカー(仮名)のリモコン笛

    Excerpt: 音リモコンカー(仮名)の名称を考えていますが、いまのところ「おとぐるま」「おとモービル」などが挙がっています。 Weblog: 鳩歩堂の電子工作館 racked: 2011-10-31 21:54