クワドラチャDDSを作ろうと思う(その4)(6/25追記)

DDSのクロック周波数をどうするかの話です。

基板設計を始めてから部分部分を設計するというのが鳩歩堂のクセでして、基板ができたが回路図がないということはしょっちゅうです。この習慣を脱しないとちゃんとした基板CADが使えません。というか、この習慣を脱しなくても使えるPCBEはほんとに有り難いとも言えます。

さて、出力したい最大周波数を10 MHzと考えているので、サンプリング周波数は約100 MHzあればいいでしょう。
逆に最小の周波数は0.1 Hzまでほしいと思います。その比は10の9乗。2のべき乗でこれより大きくていちばん近いのは
  2^30 = 1073741824。
です。つまり、クロック周波数を107.3741824 MHzにすれば、最小周波数は正確に0.1 Hzになります。また加算器に足し込む定数が1増えると正確に0.1 Hzずつ周波数が上がります。

それでは107.3741824 MHzを作るのにちょうど良い水晶振動子があるかという問題です。秋葉原の日米商事や町田のサトー電気で売っている中にはちょうど107.3741824 MHzの整数分の1というのは見つかりませんが、21.47727 MHzという水晶があります。これが107.3741824 / 5 = 21.47483 MHzにひじょうに近いので、これを使うことにしました。

すなわちSpartan3のDCMで21.47727 MHzを5倍にして使おうと思います。ところがDCMの入力周波数の最小値は24 MHzとなっているので、21.47717 MHzを入力することができません。

(と書いたところで、あらためてDCMの説明を読んだらDLLを使わないでディジタル周波数シンセサイザ(DFS)だけ使うなら1Mhzから入力可能と書いてあります。もしかするとできるのかも知れません。要確認ですね。)

そこで21.47727 MHzを2てい倍して入力し、DCMで5/2倍にしようと思います。そこで今日は、以前紹介したプッシュプルクラップ発振回路の周波数をいきなり2てい倍する回路を試作しました。

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プッシュプルクラップのコレクタ電流をまとめてベース接地で電圧増幅することで、いきなり2てい倍してしまいます。ベース接地のコレクタに入っているLはこの間買った3.3 uHのチップインダクタです。定数が最適かどうかは不明ですが、部品点数が分かれば基板設計できるので、微調整はあとでも良いでしょう。

ベース接地の負荷をLではなく並列タンクにすると波形がきれいになります。ちなみにベース接地のエミッタ側にフェライトビードを入れると波形が綺麗になると、3年くらい前のノートに書いてあります以前の記事のいちばん下の回路図参照

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オシロスコープの波形の下に表示されている周波数はあまり正確ではありませんので念のため。LEDはバイアス電圧を発生させるためです。GaN系の青の閾値は3 V近いはず。黄緑は2 V程度だと思います。電源電圧が5 Vなのでどうかなと思いましたがまったく問題なく、しかも3 Vでもまだ発振するし、発振スタートもできました。

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バイアス回路はちょっと見直した方がいいかもしれません。抵抗で十分な気もします。

それよりDCMの使い方をちゃんと調べる必要がありますね。

-- ここから6/25に追記です --
プッシュプルクラップ発振器はけっきょくベース接地を廃し、発振回路のペアのコレクタを直接並列共振回路に接続しました。またエミッタ抵抗を下げて電流を増加させ、発振振幅を増大させました。

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なんで3年まえにはエミッタ抵抗を1kΩなんてでかくしてたのだろう。それからベースのバイアスですが、もともとLEDによる定電圧源に33kΩという大きい抵抗を介して接続されていたので、ベースから見たら電流源みたいなもので、そもそも定電圧の値なんてあまり問題でなかったと思います。そこで100kΩで3.3V電源に直接接続しました。

この回路は発振がスタートすると正弦波の半波整流状の電流がそれぞれのコレクタに流れるというのがミソなわけでして、言い換えるとC級動作になっているのがミソで、そうでないと2てい倍の効率が悪いわけです。ですからベース電流は発振がスタートできるための非常にわずかな電流でいいわけです。試してませんがベース抵抗は1MΩでもいいかもしれません。

並列タンクは鈴商で買ってきました0.33uHのチップコイル(これは積層ではなく巻き線でした)を使いました。計算によるとコンデンサの方は41.6pFになりますが、続くCMOSインバータで整形した後の波形が上下対称になるように調節すると約2倍の86pFあたりが良いようです。CMOSインバータはTC7SHU04FUという東芝の1個入りゲートです。これも鈴商で扱っていて便利です。ただ末尾のUが無いやつの方が大きくて扱いやすいようなのですが、鈴商では残念ながら売っていませんでした。ANDゲートの場合TC7SH08FとTCSH08FUの両方あったりするのですが。

最終的な波形はこんなんです。

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ただしプロービングがええかげんなので、真実の波形がどうかとか振幅がどうかというとあてになりません。波形が上下対称だなということはわかります。それと3.3V電源のCMOSゲートの出力であることを併せて考えると、FPGAに入力するのに十分な特性になったとは判断できます。

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