お酒が美味しくなるはなし(誘導電界編)

まずはこの写真をごらんください。
画像
クリスマスイブですが何の予定もない鳩歩堂はお酒の誘導電界処理でも仕掛けておくことに。100円均一の円筒容器に電線を100ターンくらい巻き付けたコイルの中にウイスキーを入れた小瓶を入れ、コイルに50 Hz、1 A弱の電流を流します。これで酒の味が変わるはず。

翌日クリスマスの昼過ぎ。あっ!スイッチ入れ忘れていた! ということで、あわててスイッチを入れたので、数時間の処理になってしまいましたが、夕方から学生さん達がフライドチキンを食べ始めたので、飲み比べをしてもらいました。

処理してないブラックニッカ
画像


誘導電界処理したブラックニッカ
画像


誘導電界処理を試してみたい方は次のようにしましょう。
100ターン程度の空心コイルのインダクタンスはたいへん小さいため、50Hzまたは60Hzではインダクタンスによる電流制限は期待できません。コイルの直流抵抗で電流制限されるように作ると簡単です。φ0.6mmくらいのジュンフロン線でもエナメル線でもいいので、直径10センチくらいの円筒容器(鉄や金属はだめです)に100回かそこらコイルを巻きます。抵抗を計ると数オームになると思います。適当な電源トランスに、このコイルを接続しますが、測った抵抗を接続しても2次側の電流容量を超えないように電圧を選んでください。ただ、コイルが少し発熱するので、中のお酒がわずかに温かくなります。それが嫌ならもっと太い電線でコイルを作り、電流制限用の抵抗を別途接続するとかスライダックで電圧を調節するとかしてください。お酒はガラスやプラスチック容器に入れるようにしましょう。アルミ缶をそのまま処理するというのは非効率です。アルミ缶がショートリング、言い換えれば電磁シールドになるので。鉄缶もよくありません。鉄缶に磁束がバイパスしてしまうのでお酒に磁界がかかりません。

どうして誘導電界処理を思いついたか。それは超音波でお酒がうまくなる装置(超音波さけうま器)を盛んにいじっていた頃、日本の電気分解の専門家の方が電気分解によってわずか数秒でワインが美味くなることを発見、カリフォルニアワインの会社に技術提供することになったというようなニュースが報道されました。

それを聞いてすぐに試してみました。適正な電圧もわからないし適当な電極材料も無かったので、ワインに電線を突っ込んで数ボルトかけてぐるぐるっとかき混ぜてみたところ、確かに味がまろやかになっていました。

でも、電気分解するというのは水やらなにやら分解したり劣化するおそれがあるような気がします。また、電気分解というのは電極近傍で起こる反応です。わずか数秒で変化が起こるということですが、そんなに短時間にすべてのワインが電極付近を通過するとは考えられません。ワインが美味くなるのは電界がかかったか電流が流れたかの結果であろうと推論しました。電気分解を起こさずに電界をかけるには、これはもう誘導電界をかけてみればいいわけです。

あり合わせの電線を筒状に巻いたら直流抵抗がちょうど2オームになりました。手元にあったトランスの2次側に6Vと8Vの端子があり電流容量がちょうど1Aだったので、ここにコイルを接続し、日本酒に2時間くらい交番磁界をかけてみたところ、超音波の場合と同じように味がソフトになってしまいました。冒頭の実験はその時の長閑な実験の再現をしてみたものです。

さて、そのとき感じたことは、
◆こんなに弱い交番磁界で味が変わるとは意外だ
◆ということは、大きいトランスやモータの近くに居るだけで人体にもなんらかの影響があることは十分予想できる。電磁界が人体に有害かどうか直接証明するのはむずかしそうだが、用心するに越したことはないだろう
◆電磁処理で水が美味しくなるとか鉄管が錆びなくなるなどと言うのは眉唾だと思っていたが、真実を含んでいるかも知れない
◆そういえば、おじいさんが電子レンジでお燗を付けると美味いと言っていたそうだから、それは加熱だけでなく誘導電界によるまろやか効果も働いていたのかも知れない
◆それでかき混ぜるとワインがたちまち美味くなるという、磁石入りのマドラーがあるそうだが、これも誘導電界処理に他ならないだろう

ところで、上記の電気分解処理はわずか数秒で効果があるといういのに、こちらは数時間ではなんか負けてる。もう少し処理速度を上げるにはどうしたらいいでしょう。

誘導電界は磁束の時間変化率に比例するので、それを高めるには磁束密度を高めることと周波数を上げることが効果的です。コイル内の磁束密度はコイルの電流と巻き数に比例します。電流を増やすにあたり、メガヘルツ程度までの周波数ではコイルの負荷としてみたお酒やガラス瓶は非常に軽い負荷になりますから、コイルの電流を大きくするにはこのコイルとコンデンサで共振回路を構成して無効電流をいっぱい流すようにしなければ効率が悪くて仕方ありません。誘導コイル自体を自励発振器にしようと思います。電源回路を簡単にするためトランスレスにします。

なんだかんだ実験した結果、パワーMOSプッシュプル構成の自励発振器タイプさけうま器が完成。
画像
超音波編でちょっと登場した人形です。目ざとい人は逆さの植木鉢と気が付いたかも知れません。

頭はアルミ製の電磁シールドになっています。頭をぱかっと開けるとコイルを巻いた円筒形容器があり、ここに酒瓶を入れます。
画像
蓋を閉めてお腹のボタンを押すと処理が始まり、約30秒経つとタイマーで停止します。頭を取り付けているヒンジの近くにスイッチがあって、頭が開くと発振が停止します。

ひっくり返して底(これも植木鉢の皿)を外すと発振回路が見えます。
画像
コイルはリッツ線で巻き数は10ターンです。植木鉢の内側には薄い銅板のシールドが施され、発振回路はコイルを巻いた容器から懸垂されたアルミの円板に固定されています。この円板はパワーMOSFETのヒートシンクと下側のシールドも兼ねています。

回路図の、まずはタイマー部分。
画像
このタイマー、じつは超音波洗浄機に付いていたタイマー回路を参考にしたものです。ONスイッチが押されるとリレーのコイルに電流が流れ、ONスイッチとパラになっている電流制限用コンデンサ1uFを通してタイマー回路が給電されるのでON状態が維持されます。やがて430kΩと直列になっている100uFの電圧が上昇してきて2個のNPNトランジスタによるシュミットトリガが反転するとリレーが切れます。
ONの時にLEDを点灯する回路は、今見るとタイマー回路のどこかに入れるか、後述のバイアス回路内のLEDを使う方がいいですね。
リレーがONになると右側のちょっと大型のブリッジダイオードによって100Vを直接整流した電圧がAB間にかかります。

次に発振回路です。
画像
コイルは10ターンでセンタータップから給電され、センターからそれぞれ1ターン目2ターン目(2011年10月15日修整→末尾に説明アリ)のタップにMOSFETのドレインが接続されています。MOSFETのゲートにそれぞれドレインとは反対側のコイルの末端から33pFの小さい容量で帰還がかけられています。この容量は、MOSFETのゲート容量と分圧器を構成することで、ゲートの耐圧を超えない範囲の信号が供給されるように値を決めます。LED、ツェナダイオード、2SK982などの回路は、発振がスタートするまではツェナと左側のLEDの電圧によって発振回路のMOSFETのゲートに直流バイアスを与えますが、発振がスタートするとゲート信号の一部が整流されて直流信号になり、2SK982がONになって発振回路のMOSFETのゲート電圧をLEDの電圧降下1個分まで下げてしまいます。このへんの設計が最適かどうかはまだ検討の余地はありそうですが、このような工夫をすることによって、ともかく安定な発振と無駄な発熱の抑制が実現できます。

ちなみに左側のLEDは発振がスタートしない場合には点灯することによってそれを知らせる役目なのですが、装置の中にあって見えないので省略し、そのかわりツェナダイオードの電圧をもう少しあげておけばいいでしょう。また、右側のLEDは発振がONになったことを意味するので、これを装置の外に見えるようにすると良いと思います。発振していることを直接示す別の方法として、リング状にLED数個と抵抗を直列にした回路をコイルに誘導的に結合させることによって、発振しているときにだけ光らせることができます。

誘導コイルのセンタータップと片側のMOSのドレイン(センターから1ターン目のタップ)の間の電圧を観測してみましょう。センタータップの方にオシロのグランドを接続し、プローブをドレインに接続しました。
画像
スケールは横軸が0.2us/div.縦軸が50V/divです。センタータップ側をグランドにしたので電圧が反転しています。波形が下側に振れているのがMOSがONのときです。電源電圧約140V(100Vのルート2倍)が掛かっています。反対側のMOSがONのときは共振回路によって波形がフィルタされて正弦半波になっていますが、やはり140Vくらいまで振り戻しています。つまり、誘導コイル1ターンあたり280Vp-pくらいの電圧が掛かっていることになります。誘導コイルの端から端では漏れ磁束が多いので、この10倍には達しないでしょうが、1kVp-p位にはなっているでしょう。

次に針金で1ターンの検出用のコイル作り、コイルの中に入れてどんな波形、電圧が検出されるか見てみましょう。
画像
この検出コイルを誘導コイルの内側に入れてオシロスコープで波形を観察しました。
画像
スケールは前の写真と同じく0.2us/div.と50V/divです。寄生振動がいくらか乗っているもののだいたい正弦波で、周波数は約1.4MHz、電圧は約100Vp-pです。

もし誘導コイルの全長にわたって漏れ磁束がなければ、誘導コイルは1ターンあたり上記のように280Vp-p位の電圧が掛かっているので、その内側に密着するように1ターンの検出コイルを設置すれば、やはりそれに近い電圧が検出されそうなのですが、実際には100Vp-pでした。これは漏れ磁束によるのかどうか、ちゃんと考察していませんけれど、大まかに言って次のような考察から現実的な周波数などはだいたい決まってしまうことがわかります。

誘導コイルが自励発振器を構成しているかぎり、コイル1ターンあたりの電圧に近い電圧がコイルの内周に誘導されることになります。したがって、電源電圧が決まっている場合、誘導電界をなるべく高くするにはMOSはセンターから1ターン目に接続しなければなりません。100Vを直接整流して使う以上、内周に100V程度の電圧が誘導できますが、それが限界です。コイルを細くすれば誘導電界が高まりますが、お酒の瓶を直接入れるためには10センチ程度の直径は必要です。次にコイルの巻き数が増えると両端の電圧が高くなり、あまり高いと共振用のコンデンサが入手困難になってきますから、巻き数はそのへんで決まってきます。10ターンというのはそのような理由で決めました。直径と巻き数が決まってしまうとインダクタンスが決まってしまいます。わりと自由度があるのはコンデンサの容量ですが、あまり容量が小さいと発振周波数が高くなってMOSのロスが増えますし、あまり大きい容量にするとお金がかかることになります。

ちなみにこのさけうま器に使用している共振コンデンサは日米商事で買ってきたもので、どの程度の無効電力を通せるものかわかりません。連続運転しようという方はそのへんもよく吟味してください。

さあ、この誘導電界さけうま器の能力ですが、30秒ですっかり味が変わるのがわかります。1秒でもいくらか効果があるだのがわかります。誘導電界処理と超音波処理は、最終的に同じ状態に到達するのかどうかも気になるところです。お酒や炭酸水や水の味がまろやかになるのは共通しているので、おそらく同じ状態に到達するための別の手段といえそうです。

ただし、いくら弱いとはいえ超音波には機械的に揺することによる別の効果があるようです。サクランボ酒の実験では超音波はかけっぱなしにしたのに対し、誘導式の方には10分毎に自動的にスイッチが入って30秒間処理されるようにマイコンによるのタイマーを仕掛けておきました。
画像
結果として、超音波処理したのは苦みが出ました。種の成分などを揉み出してしまったのではないかと思います。

鳩歩堂も焼酎メーカーさんなどに技術提供して副収入を得られないものかと妄想しないでもありませんが、ブログでノウハウを公開してしまったらダメかもな。

※以下2011年10月13日追記
alps様のコメントに対する回答が長くなるので、本編の末尾に記入します。

①タイマーのブリッジダイオード以降だけで動作します。

②ブリッジダイオードは交流電源を整流して直流電源を作り出しています。ブリッジダイオードだけだと交流が半波整流されるだけなので、正弦波の絶対値をとったような波形になり、100分の1秒毎(60Hz地帯では120分の1秒毎)に電圧がゼロまで下がります。コンデンサは電圧がゼロまで下がらないように波形を平滑にする役目をします。ただし、スイッチが入るまではコンデンサは空なので、突然電圧がかかると非常に大きい電流が流れて危険です。その電流を制限するのがブリッジダイオードのすぐ次の抵抗です。この抵抗は大き過ぎると普段の使用中も発熱したり電力をロスすることになるし、小さすぎると目的を果たしません。ブリッジの前にトランスがある場合はトランスの内部インピーダンスのせいで電流が制限されるため、この抵抗を省略できる場合が多いです。

SNコイルと0.47μFのコンデンサは高周波ノイズを減衰させるためです。発振回路から1MHz以上の比較的大きい電力が発生しますので、その一部が100Vの電源ラインに戻っていくとラジオや通信機などに妨害を与える可能性があります。それを少しでも防ぐために入れてあります。

上でコンデンサで波形を平滑にすると言いました(平滑回路と呼びます)が、220μF(電解コンデンサ)の方がその役割をします。0.47μFはフィルムコンデンサで、電解コンデンサよりも高周波電流に対してインピーダンスが低いと思われますので、こちらはSNコイルと組み合わせて高周波電力が電源ラインに戻るのを防止するという意図です。ちなみにSNコイルの右側の0.47μFは無くても動作すると思います。というのは、これは逆に電源ラインから発振回路側に入ってくる高周波ノイズを減衰させる役割しか果たさないからです。

③MOSFETが代用できるかどうかは実際にやってみないとわかりません。他の部分の変更はしなくてもたぶん動作すると思いますが、MOSFETによって発熱が増えたりもするし、逆に波形がキレイで発熱が少ないものが見つかるかも知れません。MOSFETにはかならずある程度のヒートシンクを取り付けて実験してください。良いMOSFETが見つかったら教えてくださいね。

☆トランスレス回路なので、発振回路の電源がすでに140V程度の直流電圧です。素手で触ると確実に死ぬくらいの危険性があるのでくれぐれも気をつけてください。

☆コイルの両端の電圧はさらに数百Vまで上昇します。くれぐれも気をつけてください。

☆またコイルには大きい電流流れます。発熱を抑えるためにオヤイデ電気で売っているリッツ線を使っていますが、それでも発熱します。コイルの芯にアクリルパイプを使ったら、熱でパイプの表面が溶けてコイルの跡が付きました。長時間連続運転するとコイルもMOSFETも発熱しますので、タイマーを省略しても連続運転しないほうがいいです。

☆また、コイルと同じ電流が発振器の共振コンデンサ(1320pf 3kV)に流れますから、これも発熱すると思います。このコンデンサは中高圧コンデンサという分類のセラミックコンデンサで、ジャンク店で買ったものを幾つも並列にして容量を増やして使っています。ジャンク店で買ったのでこのコンデンサは共振回路用の製品かどうかわかりません。仮にDC用の場合、表示してある電圧の直流をかけても大丈夫ですが、あまり大きい電流を出し入れすると発熱して故障します。AC用というのはもっと電流が流せますが、ふつう50Hzから60Hzでの使用を目的としていますので、1.4MHzとなると想定されているよりもずっと発熱します。鳩歩堂は実際に製作してみて、1分くらい運転してみたあと電源を切り、手で触って発熱がひどくないことを確認して使っていますが、連続運転しても大丈夫かどうかは確認していません。

☆しつこいようですが、手で触るのは電極以外の場所。念のためにコンデンサの両端を安全な方法でショートして電圧をゼロにしてから触りましょう。電源の220μFの電解コンデンサもショートさせて電圧をゼロにしてから回路をいじります。電解コンデンサは一回ショートさせても何分かするとまた電圧が出てくることがあるので、念のためショートさせっぱなしでいじる方がいいです。

★製作にあたって感電や火災の危険がないとは言い切れませんので、そこは自己責任でお願いします。


※以下2011年10月15日追記
発振器の回路図で、MOSFETのドレインはセンターから1タップ目に接続するように描かれていますが、実際には2タップ目でした。じつはもっとハイパワーの試作品が最初にあり、それはセンターから1タップ目に接続していたので、勘違いしました。トランスレスの装置なので電源電圧が固定になりますから、パワーを決めるのはタップの位置とコイル全体の巻き数です。

最初の試作品はアクリルパイプにリッツ線のコイルで、1ターンめをMOSFETに接続しましたが、コイルはむき出しのままで高電圧という意味でも危険だし、シールドがないので妨害電波出しっぱなしでした。本文で紹介している装置は植木鉢の内側に薄い銅板のシールドを施し、蓋もアルミのドームとし、底のシールドはアルミの円盤を用いてその下に回路をぶら下げています。それらを植木鉢の中に閉じこめてしまうため、発熱を抑える必要があり、パワーを下げるために2タップ目にMOSFETを接続したのでした。

ですから、1タップ目に接続するともっとすごいのができます。ただし、コイルとMOSFETの発熱が大きくなるのと、コイルの両端の電圧がさらに高くなります。また、コイルの端からMOSFETのゲートにフィードバックしているコンデンサの適切な値が変わってきます。コイル両端の電圧が高くなるので、フィードバックコンデンサの容量は減らしてやる方向になります。どの程度の容量が適切かは一概に言いにくい問題です。MOSFETのゲート容量との分圧によってゲート駆動電圧が決まるので、カットアンドトライが必要です。ゲートの耐圧を超えないようにするのはもちろんのこと、且つ十分なドライブがされるようにしないとMOSFETの発熱が増加します。

ところで、リッツ線はどれを使ったかよく憶えていませんが、たぶんオヤイデの通販サイトにある2重綿巻OFCリッツ線(227本/0.12mm)だと思います。

コイルのセンターから2タップ目にMOSFETを接続した装置(本文の装置)の消費電流は改めて測ったわけではありませんが、開けてみたら3Aのヒューズが使ってありました。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 1

面白い

この記事へのコメント

alps
2011年10月13日 01:47
はじめまして、alpsと申します。
お酒が美味しくなるはなしの超音波編、誘導電界編を読ませて頂き熟成方法にも色々あるという事、
思いついた装置をすぐに作ってしまう鳩歩堂さんの技術力に大変感銘を受けました!

超音波熟成については健康酒造という製品を持っていて実際に美味しくなるので驚いていますが、
微弱な超音波を使うのでどうしても熟成には日数がかかってしまいます。
ですので短時間で済む誘導電界処理を試してみたいと思っておりますが、電子工作の知識が乏しい為いくつか分からない点があります。

・タイマー回路まで作るとなると敷居が高いので省略して作りたいのですが、タイマー回路の一番右にあるブリッジダイオード以降の回路があれば良いでしょうか?
・タイマー回路一番右のブリッジダイオード以降にある抵抗、SNコイル、コンデンサーはどんな役割をしているのでしょうか?
・発振回路に使ってある2SK3316を通販で買おうとすると10個以上からしか売っておらず、スペックの似ている2SK3868かFDPF7N50UというMOSFETを使ってみようと思うのですが、他のパーツや回路の変更が必要でしょうか?
http://jp.rs-online.com/web/p/mosfet/0579240/
http://jp.rs-online.com/web/p/mosfet/6714887/

突然の質問で申し訳ありませんが、お暇なときで構いませんのでアドバイス頂ければ幸いです。
宜しくお願いします。
2011年10月13日 09:10
alps様、回答が長ーくなりますので、コメント欄ではなく本編の末尾に追加しておきました。感電のおそれがある実験なので、くれぐれも注意してください。
alps
2011年10月13日 23:00
早速のお返事有り難う御座います。
とても分かりやすい解説で助かります。
タイマー回路後半は平滑回路、ノイズ対策、過電流防止だったのですね。
高電圧の直流は怖いので感電対策は万全にして望みます。
もう少し勉強しないと危なそうなので完成まで大分時間がかかりそうですが、MOSFETの発熱についてはまた報告させて頂きます。
R6008FNXというMOSFETはオン抵抗が少なく逆回復時間も短そうなのでまずはこれで試してみたいと思います。

それともう二点ほど伺いたい事が御座います。

タイマーについては、オムロンの時間調整可能なタイマーを接続しようと思っていたのですが、良く確認してみると最大250VAC 5Aでした。
装置全体の消費電力はどの程度なのでしょうか?

それとリッツ線についてですが、現在オヤイデ通販で売っている一番大きなサイズが0.08mm 30芯のようです。
アクリルパイプを溶かすほどの発熱となるとこれでは心許ない気がして他にリッツ線を扱っている所が無いか調べてみた所、0.08mm 150芯や0.2mm 105芯というのを見かけました。
発熱を考えるともっと太く芯数が多い方が良いでしょうか?

お手数おかけしますが宜しくお願い致します。
2011年10月15日 09:41
すみません、発振回路の回路図が一部間違っていました。MOSFETはセンターから2ターン目に接続するのが正しかったのですが、回路図で1ターン目に描いた上に本文でも1ターン目と書いてありました。本文の修正をした上に末尾に説明を追加しました。また、リッツ線と電流容量についても末尾に追記しましたので、そちらをご覧下さい。
alps
2011年10月16日 13:37
お返事有り難う御座います。

オヤイデは産業用電線のコーナーからしか検索していなかったので見落としておりました。
この位太くてもアクリルを溶かすとは相当な威力ですね。
消費電力もタイマーの定格内に収まっていそうなので安心しました。
ハイパワー過ぎるのは他機器への影響が心配ですし、30秒で変化があるなら十分なので2ターン目に接続しておこうと思います。

それと先日から回路図を眺めつつ色々と調べているのですが、恥ずかしながらどうにも動作のイメージが掴めずにいます。
ブリッジダイオードとコンデンサで整流された電圧がコイルの中点にかかり逆起電力が発生して・・・位までしか分からず、その後どういう順番で安定した発振状態に移行するのかよく分かりません。
タンク回路というのに似ている気がしますがコイルの中心に電圧をかけたりMOSFETと組み合わせた例が見当たらずお手上げ状態です。

質問ばかりで申し訳ないのですが、またお時間のあるときで構いませんので教えて頂ければ幸いです。
2011年10月16日 22:02
alps様
2010/01/31の投稿に自励発振の条件というのがありますので参照してください。プッシュプル発振器の説明までしてあります。タンク回路というのはLC共振回路の別名です。LCタンクとか言うこともあります。

プッシュプル発振器は非常に安定で偶数次の高調波が発生しない点でも理想的ですが、世の中シングルの発振器が圧倒的に多いですね。コルピッツとかハートレーなどのLC発振回路の形式が説明されている文献ではまず例外なくシングルの図が使われています。能動素子が高価だった時代の名残でしょうか。ハイパワーの発振器では割と見かけます。冷陰極管用のDC-DCコンバータなどにはプッシュプルの発振器が見られます。ハイパワーと言ってもIHクッカーのようなコスト的に厳しい分野だとやっぱりシングルだったりするようです。それにまた、プッシュプルの発振器をちゃんと理解している人が案外少ないというのが本当の理由かも知れません。

プッシュプル発振器はコルピッツ、ハートレー、クラップなどの説明に当てはまらないように見えるので、プッシュプル発振器について特に書かれた教科書以外を読んでも理解しにくいと思います。上記の投稿の内容はすべてのLC発振回路が従うべき原則について書いたものなので、シングルにもプッシュプルにも適用できます。

酒の熟成装置の回路では、タンク回路の両端の電圧を分圧してMOSFETのゲートを駆動する信号を作る分圧用のコンデンサの低電圧側が省略されています。これはMOSFETのゲート容量がその代わりを果たしていると考えてください。
alps
2011年10月18日 01:28
お返事有り難う御座います。

プッシュプル発振器の例にある(b)に似ていますね。
まだ完全には理解出来ていませんがこんなイメージで良いのでしょうか。
・発振中のコイルの電圧が高くなっている方側に接続されたMOSFETが動作しロスを補うようエネルギーを供給して発振が継続する
・ロスを補うときだけMOSFETが動作するので発熱を抑えられる

手始めに記事冒頭にあるトランスとコイルを使った装置を製作中です。
明日には完成しそうなのでとても楽しみです。
2011年10月19日 23:51
アクリルパイプを芯にした初号機のコイルの写真を2011年10月19日の記事に掲載しましたので、ご参考までにご覧下さい。
ふうみん
2013年11月03日 04:39
はじめまして。
簡単な回路で味が変わるのは、楽しいですね。
高周波をかけるやり方は、周波数はどれくらいが効果あるのでしょう?ところで、焼酎(いいちこ)を壷(吉四六)に入れ常温で一年置いてみたら、まろやか?になってました。
ただ錯覚かもしれないです(笑)
2013年11月03日 09:04
周波数による違いは効果の速さだけで最終結果にはあんまり関係ないような気がしています。記事冒頭の方法で50ヘルツでも数時間から1日位でまろやかになりました。磁石入りの棒でかき混ぜるとワインがうまくなるという製品があると聞いたことがありますが、それも誘導電流の効果だろうと思います。
 証拠は味覚嗅覚しかないのもののおそらく次の2つくらいは言えそうです。①時間とともにまろやかな方向に変化し逆の変化は起こらないこと②かき混ぜるとか超音波を掛けるとか電流を流すとかしていじると変化を促進できること。水とエタノールの混合物は(たぶん分子レベルでの会合状態が)完全な最終状態になるのにかなり時間がかかるもので、その時間を短縮できる方法が幾つもあるのだと思います。壺で保管するとまろやかになるということも(いまのところメカニズムが不明ですが)あり得ると思います。

この記事へのトラックバック

  • 電磁酒旨機の初号機

    Excerpt: 電磁酒旨機の記事に最近コメントをいただきましたので、初号機のコイルの写真をアップしてみます。 Weblog: 鳩歩堂の電子工作館 racked: 2011-10-19 23:48